2010年05月29日

6月のバラ

ちょっと告知というか宣伝をさせてください。

明日、5月30日(日)〜6月6日(日)まで、
東京の丸ビル1Fで「6月のバラ」という名のカフェが始まります。

NHKの「アートはBSデジタルで! 印象派」というキャンペーンで、
フレンチの巨匠 三國清三シェフプロデュースによるものです。

正式なお店の名前は、フランス語で「café de la rose en juin(6月の薔薇のカフェ)」
というもので、ロゴ等のデザインを担当させて頂いております。


rose.jpg


一週間限定ですので、お近くに行かれた方は、
ぜひお立寄りいただけたらと思います。


そして、6月5日(土)には、同じ丸ビル1Fから
NHK BSハイビジョンの4時間30分の生放送
ニッポンが19世紀パリになる! 印象派名画大集合」が行われます。

こちらの番組ロゴも担当させて頂きました。

豪華なゲストを迎えた、印象派づくしの番組になります。

ぜひご覧くださいませ。


posted by Happy and Happy at 14:46| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「きれいな欧文書体とデザイン」 ちょっとだけメイキング-最終回

「あの黄色の本とよばれたい」。

Yさんから言われた言葉から、
再度、カバーのデザインを組み立て直していきました。

そして、できたのが↓これ。


525_1.jpg


当初は、それぞれの書体名を小さく入れ、
文字には特殊加工をしようと考えていました。
また、宣伝の言葉をいれるための「帯」もつける予定でした。
けっこう、まじめな表情です。


↓帯をはずすと、書体名がエンボスになる構想でした。


526.jpg


この方向で基本的なOKが取れ、
さらにもう一工夫してみようとの話になり、
試行錯誤をつづけます。

そして、悩んで悩んで悩んだ結果、
装飾的な要素をすべて捨てることに決めました。
帯なし。宣伝コピーなし。英文の文字もなし。

「タイトル、色、図形」。
この最低限の要素のみで構成することを決め、
現在のシンプルなカバーデザインがうまれました。


やわらかなクリームイエローは、
ヨーロッパのクラシカルで洒落たイメージをモチーフにしています。
そして、タイトルはあえて、左下に配置することで、
「文字」にとって大切な「余白」をより際立たせるようにしました。
小さな2つの丸は、「過去の優れた書体と、これからのデザインをつなげたい」
という思いを込めています。

ちなみに、この本のカバーは、全て「特色」を使っています。
通常の印刷だと色が少し濁ってしまうため、
発色の美しさや、透明感に限界があります。

そのため、今回は「特色のインク」を使って印刷してもらうことで、
通常のカラー印刷では出せない、美しい色にしていただきました。
直径1ミリ程度の小さな丸い図形にまで、それぞれ特色を使うという
なんとも贅沢な印刷になっています。


R0012264.JPG


003.jpg


デザイナーになって、17年。
ようやくできあがった一冊です。

posted by Happy and Happy at 13:46| メイキング「きれいな欧文書体とデザイン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月24日

「きれいな欧文書体とデザイン」 ちょっとだけメイキング-19

最終回に向けて、カバー(表紙)の話を。


0023.jpg


このカバーデザイン、簡単に仕上がりそうですね〜。

ですが、この案にたどり着くまで、実際は一年がかりになりました。
その間、ラフをつくっては見直し、ラフをつくっては見直し、
という作業をコツコツと繰り返しました。

デザイナーですから、
やはりカバーデザインには、ものすごく力が入ります。
腕の見せどころみたいな感じです。

そんな気合いもあいまって、当初はもっと「デザイン的」なものを考えていました。
そして、当然ながら「欧文書体の本」ということがわかるような
カバーデザインにしていました。

しかし、類書との差別化など、いろいろと考えるところもあり、
カバーの方向性をしばらく探る日々が続きます。



そんな中、ある日の編集者Yさんとの打ち合わせで、
「カバーの色は何色にしようか」という話になりました。

僕としては書体の本ということで、
「文字が一番映える『白地』がいいのでは?」
と考えていました。

しかし、Yさんからは「黄色がいいのでは?」との提案が。
「えっっっ? 黄色?!」

実は、その数日前に一緒に仕事をしているJさんに、
カバーの色について相談すると「黄色がいいんじゃない?」
と言われていたんです。
その時点では、「え〜〜〜黄色はないんじゃない? Yさんも黄色は選ばないでしょ〜」
と話していた矢先でした。

こんな風に、別々に聞いた二人の意見がぴったり合っていることにびっくりしました。
そして、あまりにも自分の予想外の色のセレクトに、腰砕けになりなつつも、
今回の本は「黄色」になるんだなぁと感じた瞬間でした。

まぁ、そうはいっても、すぐには納得できない性格ですので、
ここでも「黄色でいこう」と思えるまでには、
しばらく時間がかかるわけですが。。

(つづく)



posted by Happy and Happy at 01:35| メイキング「きれいな欧文書体とデザイン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月06日

「きれいな欧文書体とデザイン」 ちょっとだけメイキング-18

「紙の色にも一年」。


僕は基本的に物事をスパッと潔く決めることができません。
「悩んで、迷って、考えて」を何度か繰り返して、
もう心身ともにフラフラになって物事を決めていきます。

今回、制作期間が長かったこともあり、この「悩んで、迷って、考えて」を
エンドレスで繰り返していくことになりました。

そんな中、最も長く悩んだのが「本文用紙の色」です。
まぁ、できあがってみると、そんなに悩まなくても、、、と思うのですが。。


今回、この本がはじまる際に、ひとつ自分に課していたことがあります。
それは「人の意見を聞こう」です。

これだけ聞くと、なんて立派で謙虚な人だろうと感心してしまいます。

でも、実際は大きく違うんです。
数年前にやった編集者Yさんとの仕事で、
力が入りすぎて「暴走した」という過去があるためなんです、、、


しかし、そんなステキな心がまえも、早々につまづくことになります、、、


ある打ち合わせで、本文用紙に何を使おうかという話になりました。
すると、Yさんが言います。
「クラシカルな書体の本なので、本文用紙も真新しい白いものじゃなく、
クリーム色のものを使いませんか?」と。

今、こうして文章を書いていると
「あぁ、なるほど!それでいきましょう!すばらしいアイデアだ!」と
膝を打って絶賛したくなりますが、
この話を聞いた時点の僕の反応は
「え〜〜〜クリーム色ですか? う〜〜〜ん、、、」でした。

というのは、ここ数年、用紙の色といえば、
白が映えることを意識して、
「ホワイト」もしくは「スノーホワイト」を選択していました。
そのため自分の中に「クリーム色」という選択肢はないわけです。

また、今回の本は「クラシカルな書体を紹介しつつも古典的になりすぎず、
『現代的な雰囲気』をあわせ持った本にしたい」との思いがあります。

そのため、用紙の色は、やはり現代的な「白」がいい。
しかし「人の意見を聞こう」と自分自身に課してしまっているわけです、、、
そんなわけで『葛藤の一年』が幕を開けます。


まずは「少し考えてみます」と持ち帰り、しばらく悩みました。
悩んだ結果、「うん、人の意見にのってみよう」との結論に達し、
「クリーム色でいきます」と返事をしました。

我ながら、すばらしい心がけです。
潔すぎてびっくりです。



まぁ普通だったら、これで話は終わるわけです。


しかし、その後、ずっと悩み続けます。
「本当にクリーム色でいいのか? 今ならまだ変更がきくぞ」
「自分は妥協してるのかもしれない? やはり自分の意見を通すべきじゃないか」
「できあがった時に、気にいらなかったら取り返しがつかないぞ」
などなど、もう頭の中、いろいろ巡っちゃうわけです。

たかが、紙の色ですが、全体のイメージを大きく左右するものなので、
やはり、選ぶ時にはものすごく慎重になるわけなんです。

Yさんからも、そんな僕の状況を見るにみかねて
「まだ紙色変えられますから」と、やさしい声をかけて頂きながら、
1年が過ぎた頃、ようやく心が決まります。
「クリーム色がいい」。


本を開くと、やわらかなクリーム色の用紙が使われている背景には、
実は過去の失敗と、そんな長い長い葛藤があったのでした。
posted by Happy and Happy at 23:00| メイキング「きれいな欧文書体とデザイン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。