2010年05月29日

「きれいな欧文書体とデザイン」 ちょっとだけメイキング-最終回

「あの黄色の本とよばれたい」。

Yさんから言われた言葉から、
再度、カバーのデザインを組み立て直していきました。

そして、できたのが↓これ。


525_1.jpg


当初は、それぞれの書体名を小さく入れ、
文字には特殊加工をしようと考えていました。
また、宣伝の言葉をいれるための「帯」もつける予定でした。
けっこう、まじめな表情です。


↓帯をはずすと、書体名がエンボスになる構想でした。


526.jpg


この方向で基本的なOKが取れ、
さらにもう一工夫してみようとの話になり、
試行錯誤をつづけます。

そして、悩んで悩んで悩んだ結果、
装飾的な要素をすべて捨てることに決めました。
帯なし。宣伝コピーなし。英文の文字もなし。

「タイトル、色、図形」。
この最低限の要素のみで構成することを決め、
現在のシンプルなカバーデザインがうまれました。


やわらかなクリームイエローは、
ヨーロッパのクラシカルで洒落たイメージをモチーフにしています。
そして、タイトルはあえて、左下に配置することで、
「文字」にとって大切な「余白」をより際立たせるようにしました。
小さな2つの丸は、「過去の優れた書体と、これからのデザインをつなげたい」
という思いを込めています。

ちなみに、この本のカバーは、全て「特色」を使っています。
通常の印刷だと色が少し濁ってしまうため、
発色の美しさや、透明感に限界があります。

そのため、今回は「特色のインク」を使って印刷してもらうことで、
通常のカラー印刷では出せない、美しい色にしていただきました。
直径1ミリ程度の小さな丸い図形にまで、それぞれ特色を使うという
なんとも贅沢な印刷になっています。


R0012264.JPG


003.jpg


デザイナーになって、17年。
ようやくできあがった一冊です。

posted by Happy and Happy at 13:46| メイキング「きれいな欧文書体とデザイン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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